【ボクシング】ドネアvs堤 12/17トリプル世界戦
【ボクシング】ドネアvs堤 12/17トリプル世界戦
「勝利のカギは経験、そして勇気だ。堤はとても勇敢な選手。ただ、私は長く戦ってきて一度も下がったことはなく、勇敢な戦士であることを見せ続けてきた」。多くの強敵との激戦を経験してきたドネアは、現代の激闘王の堤を闘志でも上回ると宣言した。
プロボクシングWBA世界バンタム級暫定王者のノニト・ドネア(43)=フィリピン=が12日、東京・新宿区の帝拳ジムで報道陣に練習を公開した。正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=との団体内王座統一戦(17日、東京・両国国技館)に勝利して正規王者に昇格し、WBC王者の井上拓真(29)=大橋=との2団体王座統一戦に向かうことを希望した。 10日に母国からチーフトレーナー兼マネジャーを務めるレイチェル夫人らを伴って来日。この日は軽めのミット打ちなどを披露した。少し力を込めてミット打ちを行い始めた矢先、グローブの内部が破損したため練習を切り上げた。 「コンディションは別のレベルにある。最高だ。とても大きなチャンス。日本の皆さんに見せたいものがあるので、とてもモチベーションが高い」 2019年11月と22年6月にどちらもさいたまスーパーアリーナで井上尚弥(大橋)と統一戦で対戦。ともに敗れた。「自分自身を理解するための学びでしかなかった。闇の中でしか見られない光もある。けががなければ時間や年齢の制限なく、永遠にボクシングができることが分かった。今は制限から解き放たれた。恐れもなく、よりよい選手になっている」と達観している。親日家の世界5階級制覇王者は3度目の正直で敵地日本での初勝利を狙う。 6月にアルゼンチン・ブエノスアイレスでWBA世界同級暫定王座を獲得。ただ、全盛期にはほど遠い内容だった。「前回は3週間しかトレーニングキャンプの時間がない中での試合だった。今回はフルでトレーニングキャンプができている」と前戦とは仕上がりが違い、スタミナの不安もないと断言した。その言葉が表す通り引き締まった肉体をしており、しっかりと練習を積めているようだった。 自宅のある米ネバダ州ラスベガスでの練習を終えると11月1日からは母国のセブ島にあるオメガジムで合宿を敢行。井上を苦しめた最初の統一戦の前と同じ調整パターンを採用した。 堤に勝利すれば、さらなるビッグマッチを見据える。拓真との2団体王座統一戦については「やってみたい」と笑顔。ただ、「今は目の前にある水曜日の試合が最重要課題だ」と集中した。「強さを見せて勝ちたい。勝利の鍵は私の経験だ。そして勇敢さ。世界中で見せてきた勇敢さを発揮したい」。レジェンドは強者のオーラを放ち、自信満々だった。
興行は動画配信サービスのU-NEXTで午後5時30分から独占生配信される。プロ戦績はドネアが51戦43勝(28KO)8敗、堤が15戦12勝(8KO)3分け、拓真が23戦21勝(5KO)2敗、尚弥が31戦31勝(27KO)【Yahoo News】(尾﨑陽介)