プロボクシングの階級(重量級1)
ボクシングの階級には、アマチュアとプロでわずかな違いがあります。プロの場合、イギリスの慣習に従ってポンド・ヤード法を採用し、体重はポンドで表されます。1ポンドは約0.45359237kgで、単位は「lb」と表記されます。
また、プロ・ボクシングの階級では、同じ体重でも複数の階級名が使用されることがあります。例えば、クルーザー級／ジュニアヘビー級（200lb以下）、スーパーウェルター級／ジュニアミドル級／ライトミドル級（154lb以下）などがあります。これはプロ・ボクシングを運営・管理する団体によって異なる名称が使用されるため、ファンとしては単に名称が異なることを覚えておけば良いでしょう。
プロ・ボクシングでは、合計で17の階級に分けられています。
プロ・ボクシングの階級の中で、最も重い階級はヘビー級です。ヘビー級は200ポンド以上のボクサーに相当し、国際単位で言えば90.719kg以上です。男子の場合、ヘビー級は同じ体重の階級を指しますが、女子の場合は所属団体によって体重設定が異なることがあります。
ヘビー級は、最も重い体重のボクサー同士が戦う階級であり、パンチ力が強く、派手なノックアウトで試合が決着する確率が高いため、非常に見応えがあり、世界で最も人気のある階級と言えます。また、ヘビー級のチャンピオンはしばしば「世界最強の男」と称されます。
著名なヘビー級ボクサーとしては、ジョー・ルイスという「褐色の爆撃機」と呼ばれたボクサーや、モハメド・アリという華麗なボクシングスタイルから「蝶のように舞い、鉢のように刺す」と喩えられたボクサー、そして日本でも馴染みのあるマイク・タイソンなどが挙げられます。
プロ・ボクシングの全17階級の中で、2番目に重い階級はクルーザー級／ジュニアヘビー級です。この階級は「クルーザー（cruiser）」という言葉が使われており、巡洋艦を表しています。規定の体重は200ポンド以下（90.719kg以下）であり、一つ軽い階級であるライトヘビー級は175ポンド以下（79.379kg以下）の選手が所属します。女子の場合、この階級はWBCが採用している団体のみで使用されています。アマチュアボクシングには同名の階級は存在しません。
クルーザー級で活躍した著名なボクサーには、アメリカのマービン・カメル、プエルトリコのオジー・オカシオ、イギリスのジョニー・ネルソンなどがいます。日本人選手としては西島洋介（西島洋介山）、高橋良輔、西澤ヨシノリなどが挙げられますが、彼らは日本ボクシングコミッション（JBC）非公認のマイナーな団体に所属していたため、日本ではあまり報道されてこなかった経緯があります。
プロ・ボクシングの全17階級の中で、3番目に重い階級はライトヘビー級です。ただし、女子プロ・ボクシングでは、この階級を設定していない団体もあります。ライトヘビー級の体重制限は175ポンド以下（79.379kg以下）であり、スーパーミドル級はその1階級軽く、168ポンド以下（76.204kg以下）となっています。したがって、168ポンドを超えるボクサーはライトヘビー級に所属することになります。
ライトヘビー級には、アメリカのジャック・ルートやポーランド出身の「虎」として知られるダリウス・ミハエルゾウスキーなど、著名なボクサーがいます。また、日本人のボクサーでも寺地永や西澤ヨシノリ、クレイジー・キムなどが活躍し、OPBF東洋太平洋ライトヘビー級王座を獲得しています。
プロ・ボクシングの全17階級の中で、4番目に重い階級はスーパーミドル級です。この階級では、体重制限は168ポンド以下（76.204kg以下）となっています。一つ軽い階級であるミドル級は160ポンド以下（72.575kg以下）と設定されています。アマチュア・ボクシングにはスーパーミドル級の設定はありませんので、スーパーミドル級という言葉はプロ・ボクシングに関連する話題であることが分かります。
スーパーミドル級で有名なボクサーには、アメリカのシュガー・レイ・レナード、韓国の朴鐘八（パク・チョンパル）、イギリスのジョー・カルザゲなどがいます。日本ボクシングコミッション（JBC）では2009年にスーパーミドル級を新設し、世界のスーパーミドル級で活躍する日本人ボクサーの出現が期待されています。
ミドル級の体重制限は160ポンド以下（72.525kg以下）であり、スーパーウェルター級／ジュニアミドル級／ライトミドル級（団体によって名称が異なる）は154ポンド以下（69.853kg以下）に設定されています。ミドル級は元々、ヘビー級とライト級の中間として設定されたため、その名前が付けられていますが、全17階級の中で5番目に重い階級です。
ミドル級の有名なボクサーとしては、初代王者であるアイルランド出身のジャック・デンプシーが挙げられます。なお、後にヘビー級で活躍したジャック・デンプシーと同名のボクサーは、このミドル級の初代王者であるジャック・デンプシーに敬意を表してリングネームを選んだと言われています。
ミドル級の日本人ボクサーとしては、1995年にWBA世界ミドル級王座を獲得した竹原慎二が挙げられます。日本人がチャンピオンになった階級としては、ミドル級が最重量となります。
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